「内院」とはSanctuary、つまり「聖域」を意味する。今回は「標高8000mを超すアンナプルナの一番奥に秘められた聖域に行きたい」というアドベンチャー的理由から旅行の計画を立てた。
出発4カ月前、友人のケンさんに「一緒に山登らないですか?」と打診したところ二つ返事でOK。旅の仲間をゲット。
互いに出発2カ月前からトレーニングを開始して体力作り。 何とか出発までに身体は出来上がったかな。。。
それではレッツゴー!
バンコク⇒カトマンズ⇒ポカラ 1日目
バンコクからカトマンズへはタイ航空を利用した。 バンコクを10時半に出発しカトマンズへは3時間弱のフライト。 乗ってる時間は日本行きの約半分。けど、チケット代は日本行きよりも高い……ん~納得いかん。 ちなみにバンコクからカトマンズへのフライトは右窓側がおすすめ。到着1時間前くらいになると雲から飛び出したヒマラヤ山脈とエベレストが視界に入ってくる。
ネパールの国際空港「トリブバン国際空港」に到着。 「ネパール=寒い」という印象だが、空気は乾燥しており日中は暖かい。アンナプルナトレッキングの起点となるポカラまでは国内線を利用するので、国際線ターミナルから一度外に出て歩いて行く。
やたらとタクシーが声をかけてきてうるさいが歩いて7分くらいなのでスタスタ行くのがおすすめ。
国内線のカウンターで着くと、ここでハプニング。 なんと、ポカラの上空が曇っているためフライトがキャンセルになったのだ。早速ヒマラヤの洗礼か…… ポカラの空港は有視界飛行方式を取っているようで曇りやガスが発生した場合は度々遅れたりキャンセルになったりすることがあるよう。 それにしても、明日からトレッキングを予定しているのでどうしよう……と頭を抱えていると、同じく困ったようなタイ人グループを発見。 「どうするの?」と聞いてみると「車をチャーターしてポカラまで行く」ってことなので相乗りさせてもらう事にした。
ママーを持ってきていたタイ人グループ。 ナヤプルからプーンヒルまでのトレッキングを予定していた。
カトマンズ⇒ポカラを結ぶチャーターパジェロ。 荷物を屋根に乗せて約6時間の移動が始まる。
ちなみに1台の料金は140ドルくらい(高い?)で、私は40ドル払いました(かっこつけ)
ネパールの首都カトマンズと第2の都市ポカラを結ぶ国道は片道1車線。 物流の大動脈はいくつもの峠を越えていくわけだが、途中いたるところでトラックが故障していて渋滞がひどい。 ただずっとヒマラヤ山脈が見えるので日が暮れるまでは気持ちがよかった。
途中、トイレ休憩を1回挟みポカラに到着をしたのは21時頃。 ケンさんと待ち合わせのSAKURA HOTELへチェックインしてネパール初めての食事へ。 まあ、もちろんカレーです。 一緒に来たタイ人の方たちも宿が無いってことで同じホテルに泊まりました。
The Lemon Tree
チキンカレー 250Rs
ライス 90Rs
ゴルカビール 295Rs
※1Rs=約1円
ポカラ⇒ナヤプル⇒ビレタンティ⇒ヒレ⇒ティルケドゥンガ 2日目
今回計画しているトレッキングコースの目的地は2つ。プーンヒルとアンナプルナベースキャンプ(ABC)。
プーンヒルは標高3,198mの丘になっていてダウラギリからアンナプルナ・サウス、マチャプチャレと望むことができる。
ABCはプーンヒルから見たアンナプルナ・サウスを裏側から見ることができ8091mのアンナプルナⅠとテントピーク、マチャプチャレ、氷河と望むことができる。
ポカラからのトレッキングコースはいくつかあり、その他のアクティビティーも多くある。
朝一に出かけたタイ人たちを見送った後は、トレッキング用の装備品を借りに行くことにした。 街の中にはトレッキング用品を扱う店が多くあり、レンタルすることもできる。 今回は寝袋とストックを借りることに。
・寝袋 80Rs/1日
・ストック 30Rs/1日(1本)
ホテルで申請をしていたTIMS許可証(1000Rs)とアンナプルナ保護区入域証(2000Rs)を受け取ってトレッキング開始のナヤプルまでタクシーで移動。 時間は1時間強で料金は20ドル(1台)だった。
ナヤプル(1070m)へ到着後。かつてチベットとの交易路として栄えた山道を歩いていく。
山に住む人々の生活を覘きながら進んで行くのがトレッキングの醍醐味。 景色や風景だけがすべてではないのだ。
ナヤプルには12時過ぎに着いたので昼食を済ませてから歩き出すことにした。
山の物価の上昇はナヤプルから始まり標高が高くなるほど上がっていく。
チキンカレー 450Rs
チャイ(ミルクティー) 40Rs
エベレストビール 310Rs
マチャプチャレを眺めながら山道を歩く。 目的地のABCは前方のマチャプチャレ麓から更に先にある。
ネパールの女の子。 山に住む人はチベット系が多いと思っていたがそんなことはないようだ。
ナヤプルからモディ・コーラ沿いを歩いて行きビレタンティへ。ここでTIMS許可証とアンナプルナ保護区域証のチェックを受ける。 行きと帰りの2回あるので許可証はなくさないように。
Nepal Tourism Board welcomenepal.com
ビレタンティの鉄橋を渡り左手へ。
その後はダラウンティ・コーラに沿って緩やかな登りを進んでいく。
走り回る子供たち。 ちなみにサンダル。
ヒレ(1460m)の村であった散歩途中のヤギ。 ナヤプルへの到着が遅かった人はここで1泊する場合が多い。
ヒレから約20分ほどでティルケドゥンガ(1520m)に到着。 日が暮れる1時間前の16時半ごろ。
ロッジの中の様子。 簡素なベッドが2つあり、トイレ・シャワーは共同。 どこのロッジでも夜になるとブランケットを貸してくれる。
ロッジからの風景。 到着後一番最初にやることはシャワーを浴びること。 山の上は寒暖の差が激しいので日が出ているうちにシャワーを浴びないと寒くて入れなくなる。
タイでもたまに見る。おはじきビリヤードのキャロム(カロム)。 彦根市民大歓喜!
夜ごはんはダルバード。 おかわり自由なのでついつい食べ過ぎちゃう。 約5時間ほど歩いたのと、明日もかなり歩くので早めに寝ることにした。
ダルバード 330Rs
ロックシー(ネパール焼酎) 75Rs
チャイ 60Rs
ティルケドゥンガ⇒ウレリ⇒バンタンティ⇒ナンゲタンティ⇒ゴレパニ 3日目
今日は8時ごろから出発予定なので、7時に朝食を食べる。 シンプルにチベットパンとミルクティー。
チベットパン 160Rs
チャイ 70Rs
2日は約1300mの高低差を登る。 ティルケドゥンガのつり橋を2つほど超えると本格的な登りが始まる。
イギリス軍に従軍しているネパール・グルカ兵より寄付されたつり橋。 故郷に錦を飾る。
ウレリまである登り約600mの石段。 ガイドはウレリまで笑顔だったが、日本人2人は苦しい表情。
ウレリ(2120m)に到着。
ウレリからはアンナプルナサウスを一望できる。
登ってきた方角を見ると結構な高さまで登ってきたのがわかる。
ウレリの小学校に座っていた男性。
ウレリから緩やかな登りの森を抜け、バンタンティに到着。 トレッカーの多くがここで食事をするのでダルバードやフライドライスなど早く出来上がるものを注文した。 ビールの栓を抜い時、泡が一気に溢れだし20%くらいこぼれた。違った角度から高度を体感。
フライドベジタブル 300Rs
ビール 380Rs
(高山病予防と物価の上昇を理由にビールの飲み納め…… 悲しいです……)
森の中に一軒だけある茶屋。 陽だまりの中、少数民族の赤ちゃんとヨーロピアントレッカーの言葉無き交流をみた。 時が止る感覚。
トレッカーや山岳ポーターなどが荷物を置いて一休みする「チョウタラ」 そして、ガイドのタラちゃん。
途中、ナンゲタンティの「HUNGRY EYE RESTAURANT」でチャイ休憩を入れ、さらに約1時間歩いてゴレパニ(2853m)に到着。 このゲートが見えてくると達成感でテンションがグッと上がるが、今日の宿はその先の山の上。 さらに20分ほど歩きます。
ゴレパニの村で出あった少年。 昼の暑さと夜の寒さという過酷な状況で暮らす。 ゴレパニという地名の意味はゴレ=馬、パニ=水 「馬の水桶の意味で、馬の休憩ポイント」として知られていたようです。
さらに石段を上がって行く。 ほとんどのロッジが青色の外観。
事前にリクエストを入れておいた「Super View Lodge」。 最高の景色とホットシャワーが魅力的なロッジ。「wi-fi」もあって時代が進んでいることを思い知る。(ちなみにお金とられます。)
部屋の中からはアンナプルナ、マチャプチャレと広がる。 部屋の寒さ、ベニヤ板一枚だけの壁の薄さなんて気にならない。(たぶん)
時間と体力にまだ余裕があったのでサンセットのプーンヒルを体験することにした。 ほとんどのトレッカーはゴレパニ到着後に力尽きてしまうのでプーンヒルでサンセットを見る人はすくない。 ゴレパニから更に1時間登りプーンヒル(3210m)に到着。
Poon hill http://www.poonhillghorepani.com/
1つめの目的地プーンヒルに到着。 頂上には展望台が建てられており、360度の景色を楽しめる。
ダウラギリ(8167
サンセットを見に来た人は10人ほど、互いに贅沢なひと時を過ごす。
サンライズとはまた違った雰囲気でゆっくりとした時間が流れていた。
正面にはアンナプルナ連峰が広がる。 あの山の向こうが今回の目的地のABC。
プーンヒルからのサンセット。 すべてを赤く溶かしていく。
しばらくすると静かに沈んていった。 山間に沈んでいくように思えたのは高地から見ているから?
夕日に照らされ燃える雪。 マチャプチャレ(6993m)が赤く染まる。
プーンヒルサンセットは本当におすすめです。 ヒレ・ティルケドゥンガ・ウレリから登ってくる方には辛い道のりになりますが、ぜひ登ってみてください。
辛さ以上の感動が必ずあります。
明日はプーンヒルサンライズからタダパニを抜けてグルン族の村まで一気に進みます。
2013年12月25日~27日
[…] オッパことウシロガタ氏のブログ。旅行とアクアリウムをこよなく愛する34歳の愛妻家。最近更新されていないのが残念でならないが、美しい写真で感動すら覚える旅行記に定評がある。特にヒマラヤとバガンの記事は必読だ。この年末年始は中国・雲南省へ旅行したと聞いているので、旅行記のアップに期待したい。1日も早い更新を望む。■おすすめ記事ヒマラヤの洗礼と燃える雪 ポカラ~ゴレパニ(プーンヒル)ミャンマービールとバガン遺跡群の夕景 1日目 […]