トレッキング好きなんだか、嫌いなんだかわからないけれど気軽に登れる山があればちょいちょい行って楽しんでいます。 そんなある日「チェンマイにトレッキングに行かない?」とタイの友人に声をかけられました。 ノリでOKと返事をして特に何も調べもせず日程だけ調整して行くことになったのだが、よくよく考えればコレが悲劇の始まりだったのかもしれない。
今回はチェンマイ県とチェンライ県の県境にあるクンジェー国立公園内の「ドイ・モッド」という山に行きます。
オンヌット駅前にあるロータスに集合すること夜の20時。 到着すると、、、 参加者タイ人しかいない!!! しかもその数30人くらい。 誘ってくれたタイの友人2名だけ知ってて後は誰も知らない状況にコミュ障の僕は完全にアウェイです。 そんなこんなでバンコクからチェンマイまでロットゥ4台で向かいます。 ロットゥやっちまったあるあるで一番後ろの席に座ったため足元が狭くほとんど眠れず。 クンジェー国立公園に到着したのが朝の8時ごろ。
ビジターセンターで着替え、入山届、保険、酒を瓶からペットボトルへの入れ替えなどを行い登山口のある麓の村までピックアップトラックで移動。 楽しいドライブを想定していたが村までの10キロは山の中を走って行くので荷台から振り落とされないように必死こいてしがみついた。
村に到着後、朝食を取りコーヒーを飲んだらトレッキングスタート。 今回は山の上で1泊するので食料と水をポーターさんに持ってもらい、自分たちはテントと寝袋を担いでいきます。
乾季に入って2週間くらいだったのでこの日のトレッキングは僕たちだけのグループだけだった。 登山道の印もほぼない状態だったのでマークをつけながら進んでいく。
登山道は藪漕ぎあり、平原あり、崖ありだったりとバライティーに飛んでいた。 良いことに上り下りが少なく、ほとんど登っていくだけだった。
登り始めて約4時間くらいで本日の宿泊場所となるドイ・モッドの山頂が見えた。 ここら辺一帯では珍しくこの山だけ木が生えていないため360度の眺望が期待できそうだ。 しかし、よく見ると一旦ここから山を下ってドイ・モッドへと上がって行かないとあかん。。。
下る道は今日一番のガチなやつだった。 手すりがないと完全に無理ゲーの下り。
ある程度下りると山の峰を歩いてドイ・モッドへと進んでいく。 看板にも「Danger」の文字が書いてあるくらいマジで危険だった。 ドイ・モッドのモッドはタイ語の蟻という意味らしく山を這って登っていく姿が蟻に見えることからその名がついたとか。 確かにこの斜面では納得やで。
山の峰とドイ・モッド登山の道は手すりがあっても結構危険。 晴れてたから良いけど雨が降ったら滑落ありえるレベル。
そしてドイ・モッド登頂! 標高は1805mとあまり高くはないが、国立公園の中まで入り込んだこと、周りに高い山がないこと、眺望が開けてることから結構見晴らしは良い。
山頂はサッカーコートの半分くらいの広さに松の木が10本ほど生えている。 あとは全て草原なので開放感やばい!
眺望は、、、 まずまず? 視界が開けすぎててどこ撮って良いのかわからない。
日が高いうちにテントを張り寝床の確保。 日が暮れると一気に冷え始めるので夜に備えて支度します。
山頂に20近いテントが立つ頃には少しずつ暗くなってきました。
ポーターさんたちは火を起こして暖をとり夕食の準備始めてる! 国立公園によっては火の使用はダメなところも多く、ここドイ・モッドでもダメだと思っていたけれど結果OKみたい。 飯盒炊爨とか中学の時の林間学校思い出すね。
そうこうしているうちに日が沈み空には満天の星が輝き始めた。 ここドイ・モッドは電気がないので星がめちゃくちゃ綺麗なことでも有名。 ただ、残念なことにその光景はほんのひと時でおしまい。 満月が昇り始めると、その明るさで星の輝きは一気に減少していった。 新月だとずっと空に星が輝いていると思う。
街の光がかすかに見えるが山の上では携帯の電波が入らなかった。(ここ重要)
女性陣は30人分の食事を一気に作り上げる。 この限られた水と設備の中で黙々と料理する様子を焚き火にあたりながら見つめるおじさん軍団。 こういう時って本当に男って役に立たないw 「皿に盛り付けて、ゴミはちゃんと袋に捨てて」などとドヤされながらの食事。 食後は焚き火の周りで酒を飲みながらたわいもない話を深夜遅くまでしていた。
翌日、テントから出ると山頂は霧に包まれていた。 昨夜の残り物+追加で朝食を取り、出たゴミを普通に焚き火で燃やした後は下山に入る。 行きと帰りでは違うルートのようで別の道を通って下っていく。 30人まとまってスタートしたにも関わらず途中からもうグループはバラバラ。 僕は前から3番目くらいの場所についていたが前後ともに見失い結果、、、
はい。遭難しました。
登山道っぽい感じの道を歩いていましたが、途中から完全に道のないパターンを進んでいたようです。 「完全に詰んだ。 あ、でも、とりあえず、音を立てないようにしたら他のメンバーの声が聞こえてくるかも」と静かにすると。。。 カサカサカサと草木が擦れ、獣が森を歩いている音がする。
「え? タイの山奥の動物って何? 虎? やべえええ!!!!」とりあえず昨日電波が入らなかったスマホを取り出しグーグルマップを起動。 だいぶ下って来たからか(?)電波も入りなんとか現在地を確認してみると意外と国立公園の外れを歩いているようだった。 とりあえずグーグルマップ頼りに村っぽい方へ進む。 途中、スズメバチやクモ、蛇の姿を確認したが「こちらとて虎(?)に追われとるんじゃい!」とブチギレて軽快なステップを使い山道で小走り続けること30分。 ようやく人工物を発見した。
そこから村へと下りていくと村人に遭遇。 「あんたどっから来なさった!」と質問をされ、「ドイ・モッドから下りて来た」というとみんなびっくりしてた。 そこからスタート地点の村まで徒歩で向かってる途中、心配になって探しに来たスタッフに保護され無事到着。(遭難していたので写真撮る余裕なかったです)
みんなが「どこに行ってたんだ〜 心配したぞ」と言う中で「新ルート発見したった 次回から通っていいぞ(笑)」と言うとめっちゃ大爆笑。 「とりあえず疲れたろうからビールでも飲みなさい」と言われたらふくビールを飲まされた。
仕事の後のビールもうまいけど、遭難後のビールも格段にうまいよ!
そんなこんなで、この村で作られた梅酒をおみやげで買い、ビールでベロベロになりながらビジターセンターまでピックアップトラックの荷台で揺られて帰った。 タイの山奥で遭難は大変だったけど無事生還していい話のネタになったからマイペンライだわね。
2018年11月24日〜25日
こんにちは。 ガタ(ushirogata_bkk)です。
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