ゴレパニ⇒デウラリ⇒バンタニ⇒タダパニ⇒グルン 4日目
ゴレパニに止まった人の95%が行くであろうプーンヒルからのサンライズ。 早朝5時に起床して暗闇に包まれた氷点下の中を歩きはじめる。 400m弱の石段を約1時間で登きった。
プーンヒル到着後、しばらくすると雲海が赤く染まりはじめ、山の裾から日が昇りはじめる。
サンライズを見る為に登ってきたトレッカー。 ポカラから2泊3日のトレッキングで来ている人もちらほら。
山岳ガイドと記念撮影をするヨーロピアントレッカー。 こういった記念写真っていいな。
日が昇りはじめると山が鮮やかに色付きだす。 昨日の夕景とはまた違った色味。
強い朝日を浴びながらプーンヒルを下っていく。
ホテルへ戻り、朝食を取った後はすぐに出発。次の目的地はアンナプルナ・サウスを超えた聖域のABC。 ここからいくつもの山を迂回して奥地へと入っていくのだ。(ってケンさんキマり過ぎ)
ストゥーパに旅の安全を祈る。
ストゥーパの近くで日向ぼっこをしていた親子。 吸い込まれる瞳に思わずカメラを向けてしまった。
本日はデオラリ峠を越えて山道の分岐村タダパニを目指す。 歩行は時間は約4時間ほど、デオラリ峠を越えたら山を少しずつ下る。
「また来いよ。気を付けてな」と声を変えてくれたグルン族の男性。 自然な気遣いが胸に沁みた。
ゴレパニからシャクナゲの森に入りデオラリ峠に向かって進んでいく。 2日間の疲れと早朝プーンヒルに登った疲れが出始めるのでかなりつらい。
デオラリ峠と勝手に呼んでいるがガイドに聞いたところ特に名前は無いよう。 早朝登ったプーンヒルと同じくらいの高さで目の前にアンナプルナ連峰が広がる。
ケンさんは「プーンヒルより好き」らしい。 丘ではなく峰から見る景色はプーンヒルとは違った解放感がある。
はためくタルチョ。 チベット系住民の住む村や寺院、峠の石塚などに見られる色とりどりの祈祷旗。経文などが刷り込まれている。
マチャプチャレにも少しずつ近づいてきた。
山の峰から外れ森の中を歩くことしばらく。デオラリ(3103m)に到着。 ここから一気に400m下るので靴ひもを強く結び直し、水分を補給。 高山病予防で気を付けなければいけないのが水分補給。1日の水分補給は3000m以下なら2リットル、3000m以上なら3リットルを目標にした。
渓流に沿って森の中を進んでいく。 山陰の日光が当たらない場所だと滝が凍っているところがいくつかある。
途中、ケルンが多くあるポイントを通り抜けバンタンティを目指す。 ケルンは山頂や登山路を示す道標という意味もあり、塚(墓標)という意味もある。
バンタンティ(3180m)に到着。 渓流の水を生活用水として利用している。 自然と共に生きる素朴で合理的な生活様式が魅力的。
山から刈ってきた竹をカマで丁寧に整えて屋根や壁、カゴなどを編む。
最後の石段を登り切って昼食を取ることにした。 谷間から吹き抜ける風は冷たく。 疲れきった体には気持ちがいい。
注文したベジタブルカレーはスープ状になっていた。 なんだか、ご飯とみそ汁みたい。
ベジタブルカレーライス 400Rs
チャイ Rs70
物価が上がってきました。。。
バンタンティからしばらく深い沢を下りこの小さな橋まで進む。 ここから30分登り続けるとタダパニへ到着。
ゴレパニとタダパニの標高差は約100mとタダパニの方が低いが、沢があるたびに上り下りをするので実際は300m上がって400m下ると言うのが多い。 700m下りるって辛いよ。
タダパニに到着。 当初ここで1泊を予定をしていたが中国人団体客が泊まるとの情報が入り、そそくさと次の村へ行くことに決定した。
カメラを向けるとハニカミながらも答えてくれる女性。
「でも、やっぱダメ」って恥ずかしがる。 この2秒間の表と裏が好き。
ヒレ・ゴレパニ・プーンヒルと回ってきてタダパニに到着。 え?目的地のABCまで半分もいってない。 というか、熊の絵が…… 本当にいるの?
タダパニの絶景スポットでチャイを1杯いただいてからグルンまでもうひと踏ん張りする。
トレッキングの山道が民家の敷地内を通る場合もある。
軒先にかかっていたトウモロコシ。 乾燥モロコシ?
しばらくすると1軒だけロッジのあるチュイレ(2309m)に到着。 アンナプルナ・サウスと深い谷間を眺められる広い芝生で、テントを張ったり、バーベキューをしたりすると気持ちがいいと思う。 (荷物が重くなるのでしないけど。。。)
つかの間の休息。 右手の青いロッジがグルンのロッジ。
が、ロッジまでの道のりは、棚田を沢まで下って行き、そこから石段を登って行く。 沢が憎い。
300m下りて300m上がる。
「おい坊主、ワシを撮らんか?」と言ったおじさん。 他にもポーズをしてくれた。
グルン(2060m)の宿であった子供。 旅の疲れを一瞬忘れさせてくれた。 一瞬だけね。
その日グルンのロッジに泊まったトレッカーは私たちだけだった。グルン族の一家が切り盛りしているロッジ。
ガス付きの熱いシャワーは旅の疲れを癒し、招待された夕食では心が癒された。
~グルン族のおじいちゃんとの会話~
という会話が面白くて印象的だった。 その日は夜遅くまでおじいちゃんと笑い話をした。
グルン⇒チョムロン⇒シヌワ⇒バンブー⇒ドヴァン⇒ヒマラヤホテル 5日目
貸切の宿と一家に癒されたこともあって今日は頑張って進むことにした。 目標は標高2920mのヒマラヤホテル。 ここからの高低差1000m……
グルン族のロッジで本場のグルンブレッド(とうもろこしのパン)を食べた後はすぐ出発。
出発前におばあちゃんと一緒に写真を撮ろうと思ったが、働きにでかけてしまったようだ。 残念。
どこか懐かしい感じにさせられるキッチン。 それはカマドがあるから?
お世話になったGHURJUNG LODGE。 チョムロン・タダパニの間にあるので宿泊客は少ない。 ぜひ、お勧めしたいロッジ。
グルンの宿を後にして旅の交差点チョムロンへ向かう。 途中からマチャプチャレが顔を出した。
左の看板ははずれ。 右が正解です。
道沿いにある青色の小屋がチョムロンへの入り口。 グルンからここまで約1時間。
チョムロン(2170m)へ到着。 思いのほか大きな村と整備された石段にビックリした。 目の前にはアンナプルナ・サウスが現れる。
整備された石畳。 重い薪を背負った老婆が軽やかに進んでいく。
日向ぼっこをしながら髭を剃る老人。 日常風景が非日常体験なのだ。
チョムロン~シヌワ間は憎き「川」があるので400m下って、600m上る必要がある。 この風景がなかったら2時間歩くのはきついかな。
シヌワ(2360m)に到着。 ここで昼食を取ることにした。
シヌワから眺めるチョムロンの村。 あの長い石段を一気に下り、チュムロ川のつり橋を渡り、長い石段を上ってきた。
昼食はいつものカレー。 ベジタブルカレーが胃にやさしい。
ベジタブルカレー 350Rs
チャイ 60Rs
意思の強い瞳の少年。 険しいながらも優しさの残る表情が魅力的。
シヌワから1時間半ほど歩いてバンブー(2310m)へ到着。 標高差はないが距離があるのでしんどい。
「Welcome to BUDDHA guest house」の看板。 ブッダゲストハウスというネーミングセンスに脱帽。
バンブーには中国人トレッカーが休憩していたので水休憩だけでスルーした。 次へ進む私たちに親指を立てて見送ってくれた少年。 笑顔がやさしい。
バンブーからさらに1時間進むとドヴァン(2520m)に到着。 標高よりも距離がしんどく足場も悪い。
霧(雲?)が立ち込める中、ヒマラヤホテル(2920m)に到着。高い標高を保つことによって高山病予防にもなるからと、ドヴァンやバンブーを通り越してここまできた。
予定ではゴレパニ⇒タダパニ(泊)⇒チョムロン(泊)⇒ヒマラヤホテル(泊)と3日の行程を予定していたが2日でここまできてしまった。
日が射しておらずかなり寒い。そそくさと部屋にチェックインをするが、室内が最悪。床が湿ってるし、壁と天井はカビている。さらに停電で電気が付かない。 ケンさんも「リウマチになるな。こりゃ」とかなりあきれていた。
こんな最低ホテルのヒマラヤホテルで唯一評判がいいのがこのボリュームたっぷりのピザ。地球の歩き方に「1軒だけ営業してるロッジは、ピザとアップルロールがおいしく、ボリュームたっぷり」と書いてある。
実際食べてみるとピザは最高にうまい! これにバンコクから持参したサラミを一緒に食べる。 隣に座ってたフランス人から「このジャップなんか持ってきとる(笑)」という視線が痛かったがうまけりゃ問題ない。
ちなみにヒマラヤホテルで営業している宿は2軒あるし、「うまい!」と書かれていたアップルパイは存在しなかった……
トマトチーズピザ 520Rs
チャイ 80Rs
その日は移動で疲れたこともあって、お腹がいっぱいになったらすぐに寝た。あの湿った部屋で。
夜中の3時、トイレへ行こうと部屋を出ると凍りついた。 氷点下の寒さではなくヒマラヤ山脈を覆うその満天の星空に。
新月の夜に輝く星はいつも以上に輝き、時間を忘れてただただ星空を眺めていた。
もしかしたらこれ以上の星空を2度と見ることができないかもしれない。 今までの人生で最高の星空だった。
(あまりの美しさに写真を撮り忘れたので一番イメージに近いものをネットから拾ってきて張ってます。)
というわけで、明日はマチャプチャレベースキャンプへ到着。 目的地のABCまではもうすぐ。
2013年12月28日~29日