4日目 高低差3000mにも及ぶ深い峡谷「虎跳峡」
当初、麗江からシャングリラへと直接行く計画だったが、ゲストハウスのママさんから「シャングリラへ行く前に虎跳峡のトレッキングに行ってきたら?」と教えてもらった。 地球の歩き方を見てみると「落差3000mにも及ぶ深い峡谷へのトレッキングが人気」とのこと。 旅で大事なのはノリ! シャングリラへ行く前に寄って行くことにした。
虎跳峡
雲南省の金沙江(長江上流の名称)の本流にある非常に深い峡谷。両岸には高山がそそり立ち、世界でも有数の深い峡谷となっている。川幅は60mから80mほどで、最も狭まった部分は約30mほどしかない。その両岸の断崖は2000m以上に達する。
虎跳峡という名の由来には、金沙江の渇水の時に山から下りてきた猛虎が、峡谷の中の岩に飛び移り、そのまま対岸に跳んで渡ったとの言い伝えがある。また、川の中には虎が跳ぶときに踏み台にしたとされる「虎跳石」という岩もある。
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麗江古城からバスターミナルまで歩いて行き、そこから虎跳峡行きのバスに乗る。 ターミナルは麗江古城から10分ほど
麗江から虎跳峡へのバスチケット。 35元
麗江を出たバスは北へと向かう。
市街地を飛び出すとすぐに大自然が広がった。
しばらく金沙江沿いを走り橋を渡ると飛び込んでくる「香格里拉(シャングリラ)」の文字。少し遠くまで来た気がした。
ゲートで65元払い到着。 ん? どこ? ドライバーが指す方は左。 よくわからないまま砂利道を歩いて行くことに……
少し進むと確かに虎跳峡トレッキング道と書いてあった。 ここから約27kmのトレッキングが始まる。
バックパックを背負い歩いているとナシ族の子供が追いかけてきた。 家に帰る途中だろうか。
また菜の花畑で仕事をする女性。 街中とは違った生活がここにある。
しばらく進むと道が開けた。 これは楽なトレッキングか?
と思った矢先に傍から降りてきた老人に「その道は今工事中。こっちの道じゃ」と険しい道を勧められた。
看板もないので老人の言われた通りに進むと本当に工事やってた! でもクッソ疲れる。 体力作りしてないトレッキングはまさに苦行。 ただ、景色は最高!
しばらく川に沿って歩いて行くと川は峡谷の姿を出し始めた。
途中、村があったりと意外と道に迷うことなく順調に進む。 標高が高く森林が多いのでで空気はいいが、日差しが強く肌が痛い。
なんだかんだで結構な高さまで上がってきた。 もうすでに足がパンパンですよ! ついでに靴も登山靴じゃなくスニーカーですよ!
っと川の方を見てみると上虎跳峡の狭まった濁流が見え、わずかに濁流の音が聞こえる。
日が傾き始めると峡谷の景色が時間とともに変わり始めた。
予定していた本日の目的地Halfway Guest Houseには届かなかったものの、そのひとつ手前のTea Horse Innに到着した。 ベットだけの簡易な宿だったが暖かいお茶とおいしいご飯で疲れた体を癒す。
ひとりで夕食を取っていると二人のファランが話しかけてきた。 ドイツ出身のトーガとハンガリー出身のマーク。話を聞いてみると彼らは北京へボランティアで来たらしく、その休暇中に雲南を旅しているとのこと。 行き先も似たような感じだったのと少し中国語が話せるので以降一緒に行動することになった。
5日目 轟音が響く中虎跳峡へ
ドラクエのようなパーティーで出発。ただし全員が「あそびにん」だ。 この日の旅程は少しだけハードで目的地であるTina’s Guest Houseへ行きその後シャングリラへ行くという流れ
予定より少し遅れているのでTea Horse Innを予定より1時間早く8時半に出発。 朝の空気は冷たくて気持ちがいい。
斜面に沿いひたすら3人で進んでいく。 この時に気がついたが彼らは軽装で僕は10キロ以上のバックパックを背負っている。なぜ身軽なのかと聞いたら「トレッキング開始場所で預けてきたよ」っとのこと。 あの普通の砂利道にそんなところあったかな……
しばらく歩くと結構危険ポイントまで来ていた。 幅は1mほどで落ちたら確実な「死」が口を開けて待っているw
そもそもなんでここに道を作ったか問いただしたい。 もう崖の下に住めばいいんじゃないかな? 大自然の中で無理する必要ないっしょ。
しばらくすると日が差し始めてきたが山陰の中なので太陽の姿はしばらく現れない。
Tea Horse Innを出発して約3時間ほどでTina’s Guest Houseに到着。 建物にTina’sと書かれているので遠くから見てもすぐにわかった。 小腹が減ったのでボッタクリ料金のチャーハンとコーラを頼み。今日のシャングリラ行きのバスチケットを買った。
この後、中虎跳峡まで降りていくんだがいったい何メートルの差があるのこれ? たしかにだ「2000m以上の落差が……」とか書いてあったが、わざわざ下まで降りるとは思ってなかった。イメージで言うとTina’sと道路が川岸にあって「わー すごーい」的な…… 「濁流だな〜」みたいに考えてた時期が僕にもありました。
「この綺麗な景色も見たし。もういいんじゃないかな〜 言ってもただの川。水ですし…… チラチラ」とアピールしてたらもう2人は行く行く気満々。
進んでいくと「へい兄ちゃん達、中虎跳峡へはこっちだよ」と手招きされた。 たしかに看板にも描いてある。 しかし、ひとり15元とはどういうことだ? しかもだ10元→15元になってるのバレバレだっつーの。「3人で30元にまけたまえ!」と交渉すると1秒でOKとのこと。 まあ水見に行くだけですし、ほぼ修行ですし、逆に金もらいたいくらいだけどね。
帰りのことを考えながら華麗に階段を30分ほど降りていきます。
そして、着いた! ここから濁流までもうすぐだ。 巨岩の上には人の姿が見える。
うーん 濁流の音で声が聞こえなくなってきた。
で、最後のつり橋を渡ると…… 「ヘイ 兄ちゃん。なに呑気な顔でここを通ろうってだい? え? ここに書いてあるのが見えねーのかって? 10元だよ 10元。 通行料10元って書いてあるのわからねーのか! ま、兄ちゃんが通りたくないって言えばそれでもいいんだがな アイーヤー!」みたいな本当に底辺な会話がありながらも、巨岩へ到着(写真は石から関所方面です)
「あいつ絶対成仏しないわ」 とか3人でブツブツいいながら巨岩の上で記念撮影したあとTina’s Guest Houseまで登って行った。 途中、崖をチャイナクオリティーの錆び付いたハシゴで20mおど登ったが、その記憶は虎跳峡の濁流に捨てきた。(本当に怖かった)
無事Tina’sへ到着。 川からTina’sまでは1時間ほどかかった。
1時間ほど休憩をした後、香格里拉(シャングリラ)行きのバスが到着したので時間通りに出発!
中虎跳峡のトレッキング道を麗江方面へと戻りシャングリラへ向けて進む。
シャングリラへ進むにつれて景色が変わりチベット色が少しづつ濃くなってきた。 日が沈む1時間ほど前にシャングリラへ到着。 バスをおりた瞬間に駆け抜ける凍える風に体が固まる。
シャングリラは桃源郷と呼ばれるところなのでかなりの田舎を想定していたが悪い意味で中国の地方都市という感じで本当にガッカリした。(空港もあるしそうなんだけどさ) とりあえずどこで降ろされたのかもわからないので安宿が集まる独克宗(ドクゾン)古城方面へ歩いて向かう。 整備された新しい街並みから独克宗古城区内へ入ると石畳になり少し歴史を感じる雰囲気が出てきた。
独克宗古城近くのゲストハウスにチェックインした頃には氷点下になっていた。 旅行者の震える体をチベット料理が温めてくれる。
食事を終えて外に出てみると独克宗古城がライトアップされていた。 チベット語で月光城という名の城は空に浮かぶ陽炎のように静かに輝いている。
明日はシャングリラ観光。 桃源郷と呼ばれる街への期待を胸に暖かい電気毛布に包まれ深く深く眠った。
2014年12月28日〜29日
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