「クメール遺跡と猿の町」ロッブリーを巡る。

バンコクの北164kmの場所にあるロッブリー県へ1泊2日で行ってきた。 ロッブリーは小さな町なので半日もあれば観光できるがあえて1泊する。 この町は現在、遺跡と猿とひまわりの町として有名ではあるが、町を知るうえでこの町の歴史を知っておく必要がある。

●ロッブリー歴史まとめ

・6世紀ごろロッブリーはラヴォーの名で知られ、モン族のドヴァラヴィアティ時代に都市が開発されていた。

・しばらくしてラヴォーは独立したが、9世紀入り現在のタイ王国まで勢力を伸ばしたクメール王朝(現カンボジア)に領有される。

・11世紀に入り北部のスコータイ王朝が力を拡大しクメール人からもぎ取る。しかし、クメール文化の影響はその後のアユタヤ時代まで残る。

・17世紀、アユタヤ国王の体制がオランダ海軍の海上封鎖によって脅かされた。時のナライ王はロッブリーをすぐにでも遷都できるようにと副都に定め防備を強化した。

 

といった歴史的背景が強い町。ロッブリーの博物館を訪れると他の地域とは違った展示品の数々に驚かされる。。。

 

ファランポーン駅
とまあ、歴史の講義ではなく旅行記なのでその辺にしておいて、旅の出発点ファランポーン駅に到着。 ロッブリーヘの行き方はもちろんバスやミニバン(ロットゥー)でもアクセスできるが旅情を大事にしたいので合えて列車で行くことにした。

 

ファランポーン駅
バンコクからロッブリーは列車で3時間。 うまく3等席のあるのに乗れば片道28B(約90円)で行くことができる。

 

バンコク
ファランポーン駅を出発した列車はバンコクの隙間をゆっくりとしたスピードで抜け北へと進んでいく。

 

ロッブリー駅
途中、古都アユタヤを通り抜け、さらに1時間走ればロッブリーに到着です。
11時20分発~14時20分着

 

ロッブリー
ロッブリーの町は東の新市街と西の旧市街に分かれている。バスターミナルは新市街に鉄道駅は旧市街。見どころは旧市街に集まっていて鉄道駅からすべて徒歩圏内の距離にあり半日もあれば見て回れる。

駅を出てすぐに感じるのが地方都市の静かな落ち着いた雰囲気。車の数や行きかう人の数が圧倒的に少ないので、普段バンコクの喧騒の中で生活している人には駅に降りただけで癒されるだろう。

 

プラナーラーイラーチャニウェート急転
今日の寝床に荷物を置いた後はロッブリーの一番の見どころと言ってもいい「プラ・ナーラーイ・ラチャニウェート宮殿(国立博物館)」へ出発。

入館料は「タイ人50B(タイ語表記) 外国人150B(英語表記)」のダブル表記。その場合いつも「ヘイヘイ 俺はバンコクで働いてクッソ高い税金をタイ王国に納めてるんだよ。だか らタイ人料金だろ~」と言うのだが、貫録のあるオバちゃんに「ここは大きい博物館だからダメだね。 さっさと150B払って中に入るか、家帰ってママの乳でも吸ってるんだな ガハハ」とハリウッド映画のテンプレ的なやり取りを行い渋々150Bを徴収された。。。

 

チャンタラ・ピサーン宮殿
でも、まあ150B払う価値はあると思っているのでOKです。 この白亜の純タイ式建物は、チャンタラ・ピサーン宮殿。1655年にナーラーイ王の住居として建てられたもの。現在はロッブリー時代の変わった展示物が納められている。

 

絵画
「撮影禁止?」的なことがナーラーイ王の像のところに貼ってあったので他のは大丈夫かとパチパチ写真を撮った。 上記のようなちょっと珍しい絵画がある。

 

石像
ヨーロッパから持ち込まれた石像もある。 胸のところだけやたらテカテカしているのは触られまくっている証拠だろう。(ちなみに触るなの表記あり)

 

絵画 浪人
サムライが描かれている絵画だが、しっかりと浪人と書かれていた。 これもかなり珍しい。 他にはクメール時代の出土品や仏像などが展示されている。

 

プラ・ナーラーイ・ラーチャニウェート宮殿
敷地内には他にピマーン・モンクット宮殿(中に展示品あり)や外国の大使らと接見する為に建てられたドゥシット・サワン・ターニャ・マハ・プラサート・ホールなどがある。 古今の建築物が並んで建てられているので少し変な感じがする。

 

Noom Guest House
閉館時間が迫っていた博物館を後にして今日の宿、ホテルではなくゲストハウス「NooM Guest House」で夕日までの時間を潰すことにした。

NooM Guest House
Tel 0-3642-7693

 

ワット・プラ・シー・ラタナー・マハタート
16時ごろに飲み始めて1時間で酔っ払い。 1時間ほど昼寝をして18時ごろからサンセット遺跡を堪能しようと出かけた。 ゲストハウスから2分。 鉄道ロッブリー駅前にあるワット・プラ・シー・ラタナー・マハタートに到着。

 

ワット・プラ・シー・ラタナー・マハタート
が、何やら様子がおかしい。 とりあえず正面に回ってみると18時までと書いてある! 「え? でも子供たちは遊んでるしどっか隠された入口があるんじゃないかな?」と一通り遺跡の回りを回ってみたがどこからも入れなかった…… 子供たちは植木の隙間から入ったみたい。

 

ワットプラシーラタナーマハタート
敷地内には入れないものの、回りからは見学できるのでしばらくボケーと眺めていた。 敷地内で遊ぶ子供。 ここの遺跡は完全に子供たちの遊び場になっていた。 カンボジアに行った時も遺跡は子供たちの遊び場になっていてビックリしたが、日本でも神社の境内やお寺などはもともと憩いの場などになっていて、子供たちの遊び場でもある。 大人たちは歴史的ということで「それ」以上のものに格上げをしているが、「ただ元は変わらないんだよなと」思ったりもした。

もしかすると、自分が子供の時に遊んだ公園も千年後には「歴史的公園」って言われる可能性もない事はないね。

 

サーン・プラ・カーン
続いて13世紀にクメール人によって建てられたプラ・プラーン・サーム・ヨート。高くそびえる3基のプラーン(クメール式仏塔)はヒンドゥー教のブラフマー・ヴィシュヌ・シヴァの3位一体を表していたが、のちに仏教寺院に改められた。 ん? なんかところどころに変なのがいる。

 

プラ・プラーン・サーム・ヨート
近づいてみると猿がいる。

 

プラ・プラーン・サーム・ヨート
うわ! めっちゃサルいる! って、そうなんです。 冒頭にも書いたけど、ロッブリーは遺跡も有名だけどサルでも有名な町で、北側のウィチャイェン通りを中心に生活をしています。 ペットボトルなんかを持って歩いていると後ろからこっそりと近づいて引ったくりにあいます。(というか遭った!)

 

ロッブリーのサル
とまあ、閉店後の商店の前は完全に地獄絵図。 荒れ放題やりたい放題で目の前に最悪の光景が広がっています。

「こんなにバナナを置いたらサルが集まってくるに決まってるじゃん」と思った後に考えたんだが、「ある一定の場所にバナナを置くことによって他の場所にサルを行かせない。(町の中で散らばらせない)方法を取ってるんじゃないか?」 確かにサルの生息しているエリアはほとんど限られているし町全体に散らばることを考えたら一か所に集まらせておいた方が良い。 まあ、次回ロッブリー出身の人にあったら聞いてみよう。

 

ロッブリーの猿
地面以外にも電線や電信柱、屋根、木の上とどこにでもいます。

 

ロッブリーの屋台
サルの事はさっさと忘れてシャワーを浴びた後は適当に夕食。 鉄道駅の周辺に屋台が出ているので軽く済ませることに。

 

バミーナームピセーット
夕食はバミーナームで35B(約100円)。 どこにでもあるタイラーメンです。 はい。

 

ワット・プラ・シー・ラタナー・マハタート
暗くなると一部の遺跡がライトアップされます。 これは駅前のワット・プラ・シー・ラタナー・マハタート。

 

NooM Guest House
夜遊びもせずフラフラと夕涼みの散歩をしてゲストハウスでビールを飲んでその日は就寝。

 

チャオ・プラヤー・ウィチャエーンの家
2日目は午前中に見てないところの観光を済ませて、そのままバンコクへ帰ります。最初に見に行ったのはチャオ・プラヤー・ウィチャエーンの家。

 

チャオ・プラヤー・ウィチャエーンの家
14世紀にナーラーイ王がフランス王ルイ14世の大使の為に建てた家。中にはカトリックの礼拝堂もあったよう。 ちなみにここも悲しいことにタイ人料金と外国人料金がある。 入り口で「ヘイヘイ 俺はバンコクで働いてクッソ高い税金を(略)」と話したところ、おばちゃんがOKを出してくれたのでタイ人料金50Bで入ることができた。

 

ロッブリー
最後にサーン・プラ・カーンを見て帰ろうと思った時に見た光景。 昨日の夕方に見た置いてあったバナナがすべて片づけられており人間が生活圏を確保していたように見えた。 サルヒト(人)合戦ですね。

 

プラ・プラーン・サーム・ヨート
さらにビックリしたのがタイ人観光客が大勢来ていたこと。 なかなか異様な光景だった。

 

サーン・プラ・カーン
最後の観光地サーン・プラ・カーン。 写真に写っているのは1951年に新しく立て替えられたお寺、元々は奥に建てられている(見えないけど)クメール時代のブラフマーを祭った寺院。

 

サーン・プラ・カーン
サーン・プラ・カーンは別名モンキーテンプルと呼ばれるだけあって、敷地内にこんなものまで置いてある。 「誰が撮るねん!」と思うかもしれないが、そこは自分大好きなタイ人。次から次へとキメ顔をしたタイ人女性が写真を撮っていきます。

 

と、今回は近郊の町を無駄に1泊してきました。 ロッブリーという町は「静かに燃えるロウソクの火」という印象を持ちました。なかなか説明をするのは難しいです。 また、いつも日帰りで行けるも観光地あえて1泊することで新たな一面が見える場合があったり、そこで人と出会う事もあります。 もし連休が取れたら近場のアユタヤにでも1泊で旅行に行ってみてはどうでしょう? 僕はそうします。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

ガタ

タイ・バンコク在住の37歳。 学生時代から東南アジアを放浪して、2006年からバンコクに移住。ごく普通のおっさんが家事と子育てをそこそこしつつタイの生活を楽しむために日々試行錯誤しています。 趣味は旅行と写真。タイポートFCのファンです。 FBやTWなどで気軽に絡んでください。